ブックマーク
To bookmark this poem:
Press Ctrl + D (Windows) or ⌘ + D (Mac).
Press Ctrl + D (Windows) or ⌘ + D (Mac).
人南渡・感皇恩
英語詩訳(意訳)
芳しき洲には蘭草と和香草が満ち溢れ、迷妄の思いは曲がりくねる小径に交錯する。絹の靴を履いた足取りが、淡い塵を舞い上げる。彼女は振り返りて出迎え、髪の鬟を整え、薄く眉をひそめる。胸に秘めた言葉なき思いは、お互いに語り尽くせない。微風が柳の綿毛を吹き飛ばす。今や人は南方の岸へと渡りゆく。過ぎし日の遊覧を振り返れば、幾重にも山々が重なり合っている。花々の陰には深く閉ざされた朱塗りの門。あの場所は今いずこにあるのか。半分黄色みを帯びた梅の実、暮れゆく空に薄く降る雨の簾。引き裂かれたわが魂は風に委ねられ、春は静かに過ぎ去っていく。
原文・ピンイン
蘭芷滿芳洲,遊思橫路。
羅襪塵生步。
迎顧。
整鬟顰黛,脈脈兩情難語。
細風吹柳絮。
人南渡。
回首舊遊,山無重數。
花底深朱戶。
何處。
半黃梅子,向晚一簾疏雨。
斷魂分付與。
春將去。
羅襪塵生步。
迎顧。
整鬟顰黛,脈脈兩情難語。
細風吹柳絮。
人南渡。
回首舊遊,山無重數。
花底深朱戶。
何處。
半黃梅子,向晚一簾疏雨。
斷魂分付與。
春將去。
文献直訳
蘭芷は芳洲に満ち、遊思は路に横たわる。羅襪は塵を生じて歩む。迎へ顧みる。鬟を整へ黛を顰め、脈々として両情語り難し。細風は柳絮を吹く。人は南渡す。旧遊を回首すれば、山は重数無し。花底の深き朱戸。何処ぞ。半ば黄なる梅子、向晩の一簾の疏雨。魂を断つこと分付して与ふ。春まさに去らんとす。