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水龍吟・春を問ふ
風と激しい雨に追われ狂おしく駆け抜けるように
低い欄干の小庭の奥 まだ手入れもならぬ細い蕾たち
鮮やかな紅はすべて散り失せ 春を長く留めることでは垂れ柳にもかなわない
春は老いることがないと人は言うのに 人はただ春の老いを惜しみ嘆く
この愁いはすべて人の世の心にのみ宿るもの
春の行く方に 十のうち八九は恨みが残る
香しい美酒を前にしながら どうして無駄に過ごせようか
だが知らなかったのだ 桃の花が実を結ぶのは自らの理であって
春を憂えて痩せ細るのではないことを
世俗の功名も 老境に至った味わいも すべて春の帰る時に重なる
たとえ酒杯を前に深く飲み交わし 昔の如く狂おしく歌ったところで
わが胸の情熱はもはや昔のままではあり得ないのだ
幽葩細萼,小園低檻,壅培未就。
吹盡繁紅,佔春長久,不如垂柳。
算春常不老,人愁春老,愁只是、人間有。
春恨十常八九。
忍輕辜、芳醪經口。
那知自是,桃花結子,不因春瘦。
世上功名,老來風味,春歸時候。
縱樽前痛飲,狂歌似舊,情難依舊。
幽かな蕾と細かいがく、小さな庭の低い手すり、土盛りもまだ完了していない。
吹き尽くされた豊かな紅、春を長く占めることは、垂れ柳には及ばない。
計算すれば春は常に老いず、人間が春の老いることを愁うのであり、愁いはただ、人間の世界にあるのだと。
春の恨みは十中八九。
軽々しく見過ごし、芳しい酒を口にすることを、どうして耐えられようか。
自ずからそうであるとは知らなかった、桃の花が実を結ぶのは、春ゆえに痩せるのではない。
世上の功名、老いてからの味わい、春が帰るその時。
たとえ杯の前で痛飲し、昔のように狂おしく歌おうとも、情は昔のままではあり難い。