ブックマーク
To bookmark this poem:
Press Ctrl + D (Windows) or ⌘ + D (Mac).
Press Ctrl + D (Windows) or ⌘ + D (Mac).
哀王孫
英語詩訳(意訳)
長安の城壁に頭(つべ)白い烏がとまり、夜の延秋門の上で不吉な声をあげる。
邸宅の大屋根をつつきまわり、高官たちは胡の軍勢を避けて逃げ惑う。
金の鞭は折れ馬は九頭とも倒れ、肉親同士も連れ立って逃げる余裕すらない。
腰には青珊瑚の玉飾りを下げたまま、あわれな王孫が道の隅で泣いている。
名を尋ねても決して明かさず、ただ困窮して奴隷になりたいと乞うばかり。
百日の間イバラの茂みに身を隠し、その身体には無傷の皮膚とて残っていない。
高祖の血を引く者はみな高い鼻梁を持ち、龍の種族はもとより凡人とは異なっている。
豺狼が都にはびこり真龍は野に下る、王孫よ、その貴い命をどうか大切に守ってくれ。
十字路で長く言葉を交わすわけにもいかず、それでも私は王孫のために暫し立ち止まる。
昨夜の東風が生臭い血の匂いを運び、東から来たラクダの群れが古都を埋め尽くす。
朔方の精強な兵士たちは武芸に優れていたはず、昔はあんなに勇猛だったのに今はなんと愚かなことか。
ひそかに聞けば天位はすでに譲られ、北の諸部も南の単于も聖徳に服従したという。
花門の兵は顔を傷つけて雪辱を誓うが、他人の間者に見つからぬよう口を慎まねばならない。
あわれな王孫よ、くれぐれも油断してはならない、五陵の吉祥の気はいつの日か必ず立ち上るのだから。
邸宅の大屋根をつつきまわり、高官たちは胡の軍勢を避けて逃げ惑う。
金の鞭は折れ馬は九頭とも倒れ、肉親同士も連れ立って逃げる余裕すらない。
腰には青珊瑚の玉飾りを下げたまま、あわれな王孫が道の隅で泣いている。
名を尋ねても決して明かさず、ただ困窮して奴隷になりたいと乞うばかり。
百日の間イバラの茂みに身を隠し、その身体には無傷の皮膚とて残っていない。
高祖の血を引く者はみな高い鼻梁を持ち、龍の種族はもとより凡人とは異なっている。
豺狼が都にはびこり真龍は野に下る、王孫よ、その貴い命をどうか大切に守ってくれ。
十字路で長く言葉を交わすわけにもいかず、それでも私は王孫のために暫し立ち止まる。
昨夜の東風が生臭い血の匂いを運び、東から来たラクダの群れが古都を埋め尽くす。
朔方の精強な兵士たちは武芸に優れていたはず、昔はあんなに勇猛だったのに今はなんと愚かなことか。
ひそかに聞けば天位はすでに譲られ、北の諸部も南の単于も聖徳に服従したという。
花門の兵は顔を傷つけて雪辱を誓うが、他人の間者に見つからぬよう口を慎まねばならない。
あわれな王孫よ、くれぐれも油断してはならない、五陵の吉祥の気はいつの日か必ず立ち上るのだから。
原文・ピンイン
長安城頭頭白烏,夜飛延秋門上呼。
又向人家啄大屋,屋底達官走避胡。
金鞭斷折九馬死,骨肉不待同馳驅。
腰下實玦青珊瑚,可憐王孫泣路隅。
問之不肯道姓名,但道困苦乞爲奴。
已經百日竄荊棘,身上無有完肌膚。
高帝子孫盡隆準,龍種自與常人殊。
豺狼在邑龍在野,王孫善保千金軀。
不敢長語臨交衢,且爲王孫立斯須。
昨夜東風吹血腥,東來橐駝滿舊都。
朔方健兒好身手,昔何勇銳今何愚。
竊聞天子已傳位,賢德北服南單於。
花門剺面請雪恥,慎勿出口他人狙。
哀哉王孫慎勿疎,五陵佳氣無時無。
又向人家啄大屋,屋底達官走避胡。
金鞭斷折九馬死,骨肉不待同馳驅。
腰下實玦青珊瑚,可憐王孫泣路隅。
問之不肯道姓名,但道困苦乞爲奴。
已經百日竄荊棘,身上無有完肌膚。
高帝子孫盡隆準,龍種自與常人殊。
豺狼在邑龍在野,王孫善保千金軀。
不敢長語臨交衢,且爲王孫立斯須。
昨夜東風吹血腥,東來橐駝滿舊都。
朔方健兒好身手,昔何勇銳今何愚。
竊聞天子已傳位,賢德北服南單於。
花門剺面請雪恥,慎勿出口他人狙。
哀哉王孫慎勿疎,五陵佳氣無時無。
文献直訳
長安城の頭に頭白き烏あり、夜に延秋門の上に飛びて呼ぶ。
又た人家に向かいて大屋を啄み、屋底の達官は走いて胡を避く。
金鞭は断ち折れて九馬死し、骨肉は同じて馳駆することを待たず。
腰の下の実は玦の青珊瑚、可憐なり王孫の路隅に泣くは。
之に問うに姓名を道うを肯んぜず、但だ道う困苦して奴為らんことを乞うと。
既に百日荊棘に竄れ、身上に完き肌膚無し。
高帝の子孫は尽く隆準、龍種は自ら常人と殊なり。
豺狼は邑に在りて龍は野に在り、王孫よ善く千金の内を保て。
長く語るを敢えてせず交衢に臨み、且つ王孫の為に斯須立つ。
昨夜の東風は血腥を吹き、東来るの駝は旧都に満つ。
朔方健児は身手好く、昔は何んぞ勇鋭にして今何んぞ愚なる。
窃かに聞く天子既に位を伝え、賢徳は北服し南単于す。
花門は面を剺きて雪恥を請う、慎んで口を出だして他人の狙する勿れ。
哀しいかな王孫慎んで疎くる勿れ、五陵の佳気時に無きこと無し。
又た人家に向かいて大屋を啄み、屋底の達官は走いて胡を避く。
金鞭は断ち折れて九馬死し、骨肉は同じて馳駆することを待たず。
腰の下の実は玦の青珊瑚、可憐なり王孫の路隅に泣くは。
之に問うに姓名を道うを肯んぜず、但だ道う困苦して奴為らんことを乞うと。
既に百日荊棘に竄れ、身上に完き肌膚無し。
高帝の子孫は尽く隆準、龍種は自ら常人と殊なり。
豺狼は邑に在りて龍は野に在り、王孫よ善く千金の内を保て。
長く語るを敢えてせず交衢に臨み、且つ王孫の為に斯須立つ。
昨夜の東風は血腥を吹き、東来るの駝は旧都に満つ。
朔方健児は身手好く、昔は何んぞ勇鋭にして今何んぞ愚なる。
窃かに聞く天子既に位を伝え、賢徳は北服し南単于す。
花門は面を剺きて雪恥を請う、慎んで口を出だして他人の狙する勿れ。
哀しいかな王孫慎んで疎くる勿れ、五陵の佳気時に無きこと無し。