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賀新郎・睡起啼鶯語
英語詩訳(意訳)
まどろみから覚めれば、ただ一羽の鴬が鳴いている。
窓の格子に夕暮れが迫り、青苔の庭には無数の花びらが散り敷く。
見送るひともなく吹き散らされる最後の花よ、
あとに残されたのは、ただもの憂げに揺れる柳の枝ばかり。
おだやかな温気が、ふたたび初夏の訪れを告げる。
月影をかたどった宝扇をふたたび手にすれば、
埃は積もるも、なお仙女の物語はそこにある。
過ぎ去りし日の恨みが、いかに急ぎ足で胸を突くことか。
江南への夢は断たれ、大河の洲は果てしない。
怒濤は天を衝き、豊かな水面は緑の波をみなぎらせ、
あたり一面は煙るような雨に包まれる。
高楼の前には言い知れぬ滄海の波音が響き、
いったい誰が水草の花を摘み、この思いを託してくれよう。
ただいたずらに、かすむ蘭舟の漂うさまを眺めるばかり。
万里のかなた、雲帆はいったいついに辿り着くのか。
ゆく一羽の雁を見送り、幾重の山々が遮る彼方を凝視する。
ああ、誰が私のために、あの「金縷の歌」を唄ってくれるのだろう。
窓の格子に夕暮れが迫り、青苔の庭には無数の花びらが散り敷く。
見送るひともなく吹き散らされる最後の花よ、
あとに残されたのは、ただもの憂げに揺れる柳の枝ばかり。
おだやかな温気が、ふたたび初夏の訪れを告げる。
月影をかたどった宝扇をふたたび手にすれば、
埃は積もるも、なお仙女の物語はそこにある。
過ぎ去りし日の恨みが、いかに急ぎ足で胸を突くことか。
江南への夢は断たれ、大河の洲は果てしない。
怒濤は天を衝き、豊かな水面は緑の波をみなぎらせ、
あたり一面は煙るような雨に包まれる。
高楼の前には言い知れぬ滄海の波音が響き、
いったい誰が水草の花を摘み、この思いを託してくれよう。
ただいたずらに、かすむ蘭舟の漂うさまを眺めるばかり。
万里のかなた、雲帆はいったいついに辿り着くのか。
ゆく一羽の雁を見送り、幾重の山々が遮る彼方を凝視する。
ああ、誰が私のために、あの「金縷の歌」を唄ってくれるのだろう。
原文・ピンイン
睡起啼鶯語。
掩青苔、房櫳向晚,亂紅無數。
吹盡殘花無人見,惟有垂楊自舞。
漸暖靄、初回輕暑。
寶扇重尋明月影,暗塵侵、尚有乘鸞女。
驚舊恨,遽如許。
江南夢斷橫江渚。
浪黏天、葡萄漲綠,半空煙雨。
無限樓前滄波意,誰採蘋花寄取。
但悵望、蘭舟容與。
萬里雲帆何時到,送孤鴻、目斷千山阻。
誰爲我,唱金縷。
掩青苔、房櫳向晚,亂紅無數。
吹盡殘花無人見,惟有垂楊自舞。
漸暖靄、初回輕暑。
寶扇重尋明月影,暗塵侵、尚有乘鸞女。
驚舊恨,遽如許。
江南夢斷橫江渚。
浪黏天、葡萄漲綠,半空煙雨。
無限樓前滄波意,誰採蘋花寄取。
但悵望、蘭舟容與。
萬里雲帆何時到,送孤鴻、目斷千山阻。
誰爲我,唱金縷。
文献直訳
眠り覚めて啼く鴬の語る。青苔を掩い、房櫳は晩に向かい、乱紅数多し。残花を吹き尽くして人の見る無く、唯た垂楊の自ら舞う有るのみ。漸く暖靄、初めて軽暑を回す。宝扇重ねて明月影を尋ね、暗塵侵し、尚だ鸞に乗りたる女有る。旧恨を驚き、遽かに此の如し。江南の夢断つ横江の渚。浪は天に粘り、葡萄は緑を漲らせ、半空の煙雨。無限の楼前滄波の意、誰か蘋花を採りて寄せて取らん。但だ悵望す、蘭舟の容与するを。万里の雲帆何時にか到らん、孤鴻を送り、目を断つ千山の阻。誰か我が為に、金縷を唱えん。